先週からバリ島東部にあるバリ・アガの村トゥンガナンでは、珍しい儀式が始まっています。
「トゥルノ・ニョマン」と呼ばれるこの儀式は、青年たちが村の青年団の正式な団員となる
ための儀式で、最低でも5年、長ければ7~8年毎に行われる珍しいもの。その準備は
1年も前から進められているのです。
トゥルノ・ニョマンの初日、村の青年団が朝から儀式の準備を始めます。
重要な儀式は、旅行者や外部の者だけではなく、村の人々でさえも見ることができません。
彼らが移動する際には、この竹で編んだ目隠しの大きな籠の中に入って移動します。
そして、母親や親族は、お供え物の準備を。
儀式を行うにあたり、青年たちは剃髪をし、身を清めます。
この儀式より1年間髪を切ることは許されず、また生涯剃髪を再び行ってはいけないという
ルールがあります。
今年トゥルノ・ニョマンに参加する青年は全部で9名。1年前からすでに修行は始まっており、
3日に一度深夜人目につかないように村の全ての寺院とチャンディダサにある寺院を
順番に回り、瞑想を行います。
剃髪が済んだら、ポトン・ギギ(歯削の儀式)が行われ、準備が整います。
これ以降の儀式は全て見てはならず、朝から作られた籠の中に入り移動するのですが、
人々はその籠が移動する様子も見る事はできず、家の門を閉ざして静かに待つのです。