バリには西暦とは異なった暦が2つあります。210日毎に廻るウク暦での誕生日を「オトナン」
といい、特に生まれたばかりの赤ちゃんや子供の頃は大きなオトナンの儀式を行うのですが、
大人になってからも毎年オトナンの儀式を行う人もたくさんいます。
健やかな成長を祈り、オトナンのためにはたくさんのお供え物が用意されます。
これはお供え物の一部ですが、オトナンの際にはムルカットと呼ばれるお清めも行われます。
儀礼用の祭壇にて、僧侶による祈祷が始まりました。そしてニュー・ガディンと呼ばれる
小さな黄色いココナッツの中のジュースや聖水を飲んだりうがいをしたり、さらには
体中に聖水をかけて身を清めます。
お供え物の一部は寝室の枕元に一晩置き、またお供え物の鶏肉やお菓子などはオトナンを
迎えた本人が食べます。オトナンの儀式は、バリの暦の誕生日に、パンチャ・デワと呼ばれる
5つの方角におわす神々のご加護を祈る儀式なのです。