ジャワの遺跡巡りの旅は、足を延ばしてマラン方面へ向かい、チャンディ・シンゴサリへ。
このシンゴサリの遺跡は、シンゴサリ王朝の最後の王であるクルタナガラ王のために、
マジャパヒト時代に建てられたものとされています。
典型的な東ジャワスタイルの遺跡であるトロンアグンの遺跡群とは一気に構造が
変わったのがお分かりいただけると思います。
遺跡の周りには、出土品の仏像がたくさん並べられています。
この遺跡は、ヒンドゥー教の特徴を持つ周辺の遺跡とは異なり、ヒンドゥー教仏教の密教的な
特徴を見ることができます。つまり、シンゴサリ王朝のクルタナガラ王は、ヒンドゥー教仏教の
タントリズムを信仰していたということが遺跡からも分かります。
バリでもおなじみのドゥルガ神の遺跡も。
チャンディの中にあった仏像は今はこちらにはありませんが、それでも遺跡を訪れるだけで
大昔の時間の流れを感じるような、不思議な感覚がありました。バリ・ヒンドゥー教としてではなく、
インドネシアの、ヌサンタラの歴史として遺跡を訪れるのもとても興味深くて有意義なひと時でした。